#author("2023-05-02T17:30:53+09:00","default:JR1GDY","JR1GDY") #author("2023-11-02T09:48:35+09:00","default:JR1GDY","JR1GDY") [[印刷]] オフセット印刷では、水とインキを使って印刷します。 水の管理は印刷品質にとっては最重要です。そこで今更ですが、復習の意味で水と環境について検証しました 薬品などはメーカーによって改良され知らないうちに、自社のデーターから大きく離れてしまっていた・・・って事がないかの検証です また、水道水に至っては昔と今ではpHも変わっているかもしれません *いまさら・・・ [#n14e9075] オフセット印刷の湿し水について いまから、暑くなります、工場のエアコンも壊れて数年経ちますが、仕事が薄いこの頃では修理する気になりません。 そこで、工場が暑いとどうなるか・・・考えてみます **最適値 [#kff0c9f4] -工場内気温:25℃ -湿度:55% -水舟温度:10℃〜13℃ -印刷機ローラー:15℃ -湿し水pH:5.5〜6.0 **対応 [#u021e896] -夏場は比較的に湿度が高い 60〜80%になる日もあるので換気する -気温は最高36℃くらいに上がるので、印刷は涼しい午前中に、それでも25〜30℃になる -水舟は23〜28℃になるので、氷などを浮かべて冷やす -水温が上がると、水の粘土が少なくなる、水が減少する→水過多のトラブル -pHが上がると、''水<インキ''となり地汚れの原因 -pHが下がると、''水>インキ''となり線画部にインキ乗らず水負になる。 &size(25){&color(red){''pHは5.5±0.5 水舟温度は13±2 湿度は55%±5が良い''};}; *各薬品のpHを調査 [#jeb1ae5d] |昭和水源の水道水|7.27|若干アルカリ性|https://www.water.kofu.yamanashi.jp/data/files/kensa_pdf/R3_4.pdf| |SDP用の給湿液添加剤 SLM-OA1|3.5〜4.5|酸性|https://www.mpm.co.jp/env/msds.html| |SDP用の給湿液添加剤 SLM-OA2|9.3|アルカリ性|https://www.mpm.co.jp/env/msds.html| |給湿液 SLM OD|6.26|弱酸性|| |給湿液 SLM ODN|5.5〜6.5|弱酸性|| |給湿液 SLM OD30|5.5〜6.5|弱酸性|| |給湿液 SLM OD50|3.5〜4.5|酸性|| |CTPエッチ液 EU3|3.4|酸性|| |プレートクリーナ KP-1|3.0|酸性|| |給水ローラーのクリーナーCD2|3.86|酸性|| |IPAアルコール|中性|水に溶けても影響なし|| *実際の運用 [#bd9476ee] +初めはpH5.5とする +版面を海綿などで洗浄(水+OHⅢ) +印刷機を始める +インキなどでpHが上がる。<pH7 +汚れが出ると、クリーナー(酸性)で版面を洗う +酸性になる>pH6 *実際の運用 2023-10-01より [#ge8dc61d] ***SDPの場合 [#lfc85c82] 水道水3000ccにOD50をキャップ一杯でpH5.0になる +pH計で計測確認する +版面をOH3で洗浄(pH6) +印刷OK 加えて、モルトンの水保有量がいったんは上がるが落ち着く頃には一定になる ***CTPの場合 [#l210928b] 水道水5000cc+EU3キャップ2.5杯でpH5.0になる +pH計で計測 +印刷OK その日の気温や湿度などによっても変化するので、オペレータの腕の見せ所となる。 **参考までに [#j366b421] OD50で良い結果を出しています。これは水道水が地下水であること、比較的温度が低くて一定であることです。 最近の大型印刷機ではデジタルで管理するようですが、小型で使い回しの良い印刷機では、まだまだオペレーター頼りです。 湿し水のpH濃度が印刷に密接に関係していることを改めて認識しました 印刷中に汚れ(地汚れ)などが出る場合はpHを下げる(クリーナーなどで版洗う)、水は多い場合はpHを上げる(OA2を水舟に少々追加)する