PCを使って和文の解読をしながらQSOする局と出くわした。
彼は、ほんの一ヶ月まえからCWを始めた局だ、私が「和文は、今年の初めから覚えたので、ヨチヨチです。よろしく」と打つと、「私は、つい最近から始めました」と帰ってきて、大変驚いた。
よ〜く聞くと、「パソコンで操作しています・・・」。
まぁ、凄いと思うと同時に、自動車に例えると、運転はコンピュータ任せで自分は助手席に座っているようなものだ。ドライブは自分で運転するから楽しいのであって、パソコンに運転させられるなんて、楽しいもへったくれもない。
和文の練習には、良い道具だが、それを使って実際の交信となると、何が楽しいのか疑問になる。
それから、その局と交信する度に、今日もパソコンですか?と聞き、「はいそうです」と帰ってきたら、「和文を覚えて下さい、それでは、私はこの辺で失礼します」と打って、そそくさと73をする。
何か機械相手に交信しているようで面白くないからだ。
本来ならば、楽しく交信して早く上達するようにしてあげれば良いのだが・・・小生、
まだまだ修行が足りん(-.-)
CWをやってみたいという局長さんが大変多いのには驚いている。
しかし、なぜ、CWを覚えないのか?不思議でならない。
私にも出来るので、決して難しくはないと断言できる
それでは、何かと考えると、ほんの何かのきっかけが必要と思う。
彼はどうやっているのでしょうか?――彼は生徒に言います。「モールス符号は世界で一番簡単な【言語】です。
たttの26単語しかない。一晩で新しい26単語が覚えられない人がいるでしょうか?
新しい言語を学習するとき、各単語をどうスペルするのか、各単語は何文字なのかとか考えないでしょう。
単語がどう聞こえるか、それがどういう意味かを考えますね。
同じことがモールス符号学習でも言えるのです。それぞれの文字が音と意味を持っています。知るべきことはそれだけです。」
彼は先ず簡単な文字 (E T I M A N S O) から始めます、そして中間の文字 (U D V B W G) に進みます、そして最後に残りの12文字をやります。
彼は音のリズムで教えます。「トン」と「ツー」即ち短点と長点で教えるのではありません。彼は実際の音声でもって教えます――宿題やその他の勉強はありません。彼は自分の無線機、エレキーとパドルを使って実際にの交信を見せます。
ABCを覚えた後の、彼の「実証されたCW教習技術」について彼は次のように言っています。
生徒に紙と鉛筆を持たせないで、非常に早いスピードの符号を聞かせます、
彼(Steve)が気楽なテキスト、例えばスポーツチームや町の名前を入れたりしたもの、を送信します。
彼は言います。「何も書くな。ただコードを聞いて、もしその内の少しでも理解できれば、それで良し。」
彼は9歳になる甥のRob(脳性小児まひだった)が彼(Steve)の無線交信を見て興味を示したので教えることにしました。
符号を教え始めて3週間でRobはノビス級に堂々10歳で合格しました。
RobはノビスCWバンドをしばらくの間5wpmでうろうろしていましたが、あるとき高速の交信を耳にしてその早さに興味をひかれました。
彼(Rob)はコピーしようと試みましたが早い送信に書き取りが追いつかないことに気がつき落胆しました。
そこでSteveは次のように言って励ましました。「何も書くな。ただコードを聞いて、もしその内の少しでも理解できれば、それで良し。」
Robは言われたとおりただ聞くことにしました、最初は2%程度しか取れなかったのですが、数日高速交信を聞いた後には20%程度取れるまでになりました、「この程度とれれば交信するには十分だ。」とSteveは言いました。
Steveは彼にコピーできない程の早いオペレーターと交信することを勧めました。
彼は交信しました、たとえ相手のコールと名前しか取れなくても。
(Steveは彼に「それでも立派な交信だよ」と言いました。) Robがジェネラル級に昇格したときに、Steveは彼にエキストラ級のバンドの近くに出て本当にすごいオペレータを見つけて交信するように励ましました。
彼はその通り行い、3週間で5wpmから35wpm までテープやパソコンプログラム等の「仮想の」道具なしで上達したのです。
彼は実際に交信することだけで成し遂げました、それはSteveに言われたとおりにやっただけでもあります。
Robは12歳でアドバンス級に合格し、エクストラ級も受験しました、コードの試験は簡単に(100%正確に)何も書かずに全問正解しました、でもまだ十分な数学を学校で習っていなかったので理論の試験で落ちてしまいました。
彼は13歳になる直前にエクストラ級に完全合格しました。
彼は今CWコンテストでほとんどの交信を45~50wpmでやっていますがコールサイン以外何もログに記入しません。
この障害を持つ十代の少年はほとんどどんなスピードでも正確に受信ができましたが、彼は短点と長点さえ知らなかったのです。
かれは符号をそのように覚えなかったからです。
符号は常に彼にとって安易な存在でした。 Robはコード試験に合格できない人はバカだと思っています、なぜなら彼にとってコードは難しいものではなく脳性小児まひという学習上の障害がある彼でもできたからです。
彼の成功はSteveの学習法の最たる例です、かれは決して「難しい」といいませんでした、そして本当に容易だったのです。
彼は良い態度を持っていましたし問題があるということを知りませんでした。
彼の能力には上限が無いようです。彼は最初の出会いから正しい方法で学習できたのです。